消化器外科、乳腺・内分泌外科

下部消化管(大腸)

下部消化管診療グループは大腸癌を中心に、良性・悪性の腸管腫瘍、炎症性腸疾患や腸管虚血・穿孔・閉塞など、小腸から大腸にかけての幅広い腸疾患に対する手術を行っています。年間の手術件数は140件あまりで、安全・確実を最優先とし、その上でより痛くなく、より心身に優しい手術を目指し、日々診療にあたっています。痛みの少ない低侵襲手術として腹腔鏡下の大腸癌手術が増加しているほか、術後には電動PCAポンプによる持続的鎮痛剤投与と積極的な消炎鎮痛剤の使用で、術後の早期回復、早期退院を図っています。また、人口の高齢化に伴い心・肺・代謝性疾患のある大腸癌症例が増加している現状に対応するため、県内唯一の大学病院として、各診療科と連携し、より重症な併存疾患のある高齢者への対応にも取り組んでいます。

大腸癌について

生活習慣の欧米化などに伴い日本の大腸癌患者数は増加しています。一方、近年の抗癌剤治療の進歩や「大腸癌治療ガイドライン」の導入による大腸癌治療の標準化により、その治療成績は向上してきています。例えば当科における大腸癌の治療成績(5年生存率)はStageIで98.2%、StageIIは85.0%、StageIIIaは85.8%、StageIIIbは62.3%、StageIVは20.6%となっており(図1)、結腸癌に限定すると更に良好な結果となっています(図2)。当科では消化器内科と連携し厳密な術前診断に基づいて、「大腸癌治療ガイドライン」に沿ったスタンダードな大腸癌診療を行っているほか、進行下部直腸癌に対する術前の化学放射線治療や肛門温存手術、新規抗癌剤のいち早い導入など、大学病院として先進的・集学的治療を行っています。

図1:2008年までの大腸癌456例の治療成績(疾患特異的生存率)

図1:2008年までの大腸癌456例の治療成績(疾患特異的生存率)

図2:2008年までの結腸癌258例の治療成績(疾患特異的生存率)

図2:2008年までの結腸癌258例の治療成績(疾患特異的生存率)

また大腸癌の腹腔鏡手術率は徐々に増加しており、2017年度は6割程度が腹腔鏡手術となっています。以前の開腹による手術でも平均の術後在院日数は12日未満(80歳以上の高齢結腸癌:11.5日、79歳以下:11.8日)であり、低侵襲手術による更なる早期回復を目指しています。

図3:腹腔鏡下大腸癌手術の手術風景

図3:腹腔鏡下大腸癌手術の手術風景

 一方、他臓器浸潤を伴う高度な局所進行大腸癌症例や肝・肺転移の症例に対しては、各臓器の専門医がそろう大学病院の特徴を生かし、県内各施設からの紹介を積極的に受け入れ、手術・集学的治療を行っています。

 受診者の皆様の安全・安心を第一に、より質の高い確かな医療を提供すべく、日々努力してまいります。

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