乳腺グループ
主に乳がんと乳腺良性疾患に対して、診断から治療まで行っています。2022年4月より、乳腺専属医師として男性医師 2名・女性医師 3名(指導医 2名・専門医 1名・認定医1名)(女性医師1名は産休中)の計5名を中心に外来診療・手術・病棟業務を行っています。乳がんの発生数は増加傾向にあり、日本人女性において生涯で乳がんに罹患するリスクはついに9人に1人となりました※1。もちろん、日本人女性のがん罹患率の第1位となっています。このような背景から乳癌手術件数は年々増加傾向にあり、当科における手術件数は2019年に158例と過去最多となりました。2020年以降はコロナ禍の影響でやや減少傾向にあり、2020年は155例、2021年は142例となっております。
乳腺疾患の主な検査はマンモグラフィ(最新の3Dも完備)と乳房超音波検査であり、乳がんが疑われた場合は、細胞診や組織診を行い、結果を迅速に提供できるように努めています。
乳がんの治療は、薬物療法、放射線療法、手術療法があり、乳がんの病態(サブタイプや病期)に応じて、適切な治療を行います。また、治療方法は、患者さんのご希望を十分に考慮したうえで選択するようにしています。治療観察期間は基本的に10年としています。
また、乳がんと関連した遺伝性腫瘍に対する相談・管理・治療を遺伝子疾患診療センターと協力して行っています。特に、近年、注目されている遺伝性乳がん卵巣がん症候群については産婦人科と協力して取り組んでいます。
当科の特徴
1.乳腺外来は月曜、火曜、水曜、金曜に実施しております。
※初診患者さんは完全予約制とさせていただいております。
これは限られた医療資源を効率的に運用し、患者さんの待ち時間を短縮するための方策です。
何卒ご理解のほど宜しくお願いいたします。
- 日本乳癌学会が認定した乳腺指導医2名・専門医1名・認定医1名が在籍しています。現在は乳腺専属医師として男性医師2名・女性医師 2名の計4名で外来診療を行っています。
※女性医師の診察をご希望される場合は、外科外来までお問合せください。
- 初診日にマンモグラフィ、乳房超音波検査を行い、乳がんが疑われた場合は、可能な限り同日に病理検査(穿刺吸引細胞診もしくは針生検)を行います。病理検査は1週間前後で結果がわかります。
- 乳がんのサブタイプや病期に従って治療方針を決めます。治療はホルモン剤の内服治療、抗がん剤の点滴、放射線照射があります。早期乳がんはまず手術を行い、手術検体の病理診断で術後の治療(再発予防目的の補助療法)を決めます。Stage IIのトリプルネガティブタイプの乳がんやHER2タイプの乳がん、また、Stage IIIの局所進行乳がん は、まず抗がん剤を投与し、がんを小さくしてから手術を行います。抗がん剤は外来通院で行います。遠隔転移のあるStage IVの乳がんは、患者さん各々の生活の質を一番に考えながら、ご希望に沿う治療を行います。
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5.手術は月曜と木曜に行っています。
・手術方法は乳房温存手術(部分切除術)、乳房全切除術(±乳頭乳輪温存)があります。温存手術の場合は、術後に放射線科で温存乳房の照射を行います。
希望により、乳房全切除術と乳房再建術を同時に行うことができます。・当院では乳房再建術は形成外科と連携して行っています。
乳房再建術は一次再建(乳がんの根治手術と同時に乳房再建を行う) (※一次再建の場合は、手術日は月曜のみとなります。)と二次再建(乳がんの治療終了後に改めて乳房を再建する)があり、当院では両方とも行うことができます。また、当院では二期再建(初めにエキスパンダーを挿入して皮膚を伸ばしてから、2回目に人工乳房に入れ替える再建法)を行っています。
・乳房再建術の適応はStage IIまでの乳がんとされています。希望される場合は主治医と相談してください。
6.乳がんと関連した遺伝性腫瘍に対する相談・管理・治療を行っています。
・2020年4月より、遺伝性乳がん卵巣がん症候群と診断された患者さんに対する予防的切除手術が公的医療保険の適用対象となりました。
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の診断は遺伝学的検査(血液検査)を行う必要があります。
下記条件を満たした患者さんの遺伝学的検査は公的医療保険の適用対象となります。詳細については主治医にご確認ください。
・進行・再発乳がんの患者さんに対し、治療薬(オラパリブ)の適応があるか調べるための遺伝学的検査(血液検査)および遺伝子パネル検査を行っています。
詳細については主治医にご確認ください。・2021年4月より、臨床遺伝専門医による乳がん遺伝カウンセリング外来を行っています。
<診療日>
毎週木曜日 9:00~12:00(完全予約制)※第1週木曜日 10:00~17:00は認定遺伝カウンセラーによる診療を行います。
<場所>
外科外来<対象>
①乳がんと診断され、乳がん卵巣がん症候群と診断された患者さんとその家族
②乳がんと診断され、乳がん卵巣がん症候群が疑われる患者さんとその家族
③乳がん卵巣がん症候群と診断された方の家族
※基本的に自費診療(5,500円(税込))となります。
<問い合わせ先>
紹介患者のみの受付となっております。院内紹介の場合は、主治医の先生に他科依頼の記載を
お願いしてください。
院外紹介の場合は、お近くの病院の先生に紹介状の記載とFAXをお願いしてください。
※院内のご紹介の場合は、あらかじめ担当医(井上慎吾医師)にご一報ください。
担当医が院内不在の場合は外科外来にご連絡ください。
※院外からご紹介いただく先生方は下記(1)をご覧ください。
あらかじめFAXでのご紹介をお願いいたします。 -
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