消化器外科、乳腺・内分泌外科

胆膵

胆膵

肝胆膵

膵臓

 膵臓は胃の裏側にある長さ15~20cmほどの細長い臓器です。膵臓の機能は主に2つあります。一つは外分泌機能といい、膵液をつくり十二指腸に流します。この液により炭水化物、たんぱく質、脂質は分解されます。もう一つはホルモンを産生する内分泌機能といい、インスリンやグルカゴンといった血糖を調節するホルモンが代表的なものです。ここに腫瘍が発生しても症状が出るまでには時間がかかります。早期発見、早期治療に向けて日々取り組んでいます。

膵癌

 膵臓に発生する腫瘍はいくつも存在しますが、その代表は膵管癌です。癌の発生部位によって、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(膵頭部、胆管、胆嚢、十二指腸を切除)、膵体尾部切除術(膵体尾部、脾臓を切除)、場合によっては膵全摘術が選択されます。リンパ節郭清や動脈周囲の神経叢郭清も積極的に行っています。門脈など血管浸潤症例に対しての門脈合併切除再建術、動脈浸潤症例(図1)への術前化学(放射線)療法(NAC, NACRT)の導入などにより、より高い根治性を目指しています。術後補助化学療法や再発した患者さんへの化学療法にも取り組んでいます。そのほとんどが外来通院で可能であり、患者さんへの負担や日常生活の維持に配慮しています。

膵嚢胞性腫瘍

 画像診断の進歩や健診率の向上により、患者さんが増えています。診療ガイドラインを参考に手術適応を検討します。疾患や部位によっては腹腔鏡下手術の良い適応になります。当院でも腹腔鏡手術を根治性と安全性に配慮しつつ取り組んでいます。

膵神経内分泌腫瘍

 この疾患も近年発見率が向上しています。部位や進行度によって、術式選択を行っています。腹腔鏡下手術の良い適応となるものも多く存在します。
※ 腹腔鏡下膵切除術の症例は年々増加傾向にあります。当院では臓器温存の点から、腹腔鏡下脾温存膵体尾部切除術を積極的に行っています。

NACRT
図1 腹腔動脈、総肝動脈に広範に接し、脾動脈を巻き込んだ腫瘍に対し、NACRTを行った後に膵体尾部切除術を施行した症例。

一般的な入院期間は膵頭十二指腸切除術の場合3-4週間、膵体尾部切除術の場合2週間程度です。腹腔鏡下手術では入院期間の短縮が見込まれます

腹腔鏡下脾温存膵体尾部切除術
膵臓手術件数の年代別推移

胆道

胆道とは、肝臓で作られた胆汁が十二指腸に至るまでの通り道を指します。胆汁が流れる通路である胆管、 その途中で胆汁を一時的に貯留しておく袋である胆嚢、十二指腸への出口である十二指腸乳頭部に分けられます。

胆管癌、十二指腸乳頭部癌

 胆管や十二指腸乳頭部に癌が発生すると、黄疸になります。目が黄色くなったり、皮膚が黄褐色になったりします。白色便や褐色尿に気が付いて病院に来られる方もいます。
 根治が最も望める治療は手術です。部位によって手術は異なりますが、遠位胆管癌や十二指腸乳頭部癌に対する主な手術術式は幽門輪温存膵頭十二指腸切除術です。周囲のリンパ節への転移例も多く、積極的にリンパ節郭清も行っています。膵臓癌ほどではありませんが、難治性の疾患であり、ステージ(病期)によっては術後補助化学療法を行っています。

胆嚢癌

 早期であれば胆嚢を摘出するだけで根治する可能性が高く、腹腔鏡手術も行っています。進行した場合には、肝臓の一部や胆管を合併切除しなければならない場合もあります。また、ポリープなどの良性疾患との鑑別が困難な場合もあり、内科と連携して詳細に検討しています。

膵・胆管合流異常、先天性胆道拡張症

膵・胆管合流異常とは膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常です。膵液と胆汁の相互逆流により胆道や膵臓にさまざまな難治性の病態を引き起こすことがあります。また、胆嚢癌などの癌を引き起こすことが知られており、手術の適応となります。大人になってから健診などで偶然発見されることもあります。先天性胆道拡張症とは胆管のさまざまな部位に胆管の拡張を呈する先天性の形成異常です。膵・胆管合流異常を合併します。形態により、胆嚢摘出術、胆管切除術などの手術が行われます。

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